SDGsの大嘘(池田清彦)2

もしも全世界が SDGsの17の目標を信じて疑うことなくそのゴールに向かって突き進んでいくと、間違いなく世界は今よりも悪くなる。利益を得るのは、一部の国や SDGsをビジネスにしている企業など、ほんの一握りの人々だけであって、世界全体でみると、損をする人、貧しくなる人のほうが圧倒的に多くなってしまう。 そして、この「負け組」のほうに、日本が組み込まれてしまう恐れがあるのだ。 「明るい未来をつくるため」という名目のもとに推し進められている“素晴らしい目標”が、実はまったく正反対の結末を招く。 このような状況を的確に言い表している諺がある。 「地獄への道は善意で敷き詰められている」 最初は善意から始まった社会運動や、誰もが反対できないような理想的なスローガンを掲げた政策が、のちに多くの人々の生活を苦しめる悲劇的な結末を生むときに用いられる。 SDGsはこの諺の典型的な例になっているように思う。